化学生命工学科、加藤研究室にインタビューに行ってきました!

ttime2009-05-01

はじめまして、広報アシスタントの北野です。
工学系研究科社会基盤学専攻修士1年に所属しています。
今までblogを更新した事がなかったので、今年度はマメに書いていきたいと思います。。
広報アシスタントは工学部の先生、OBなどいろいろな方にお会いして貴重なお話を伺ったり、普段はなかなかいけないようなところにいけたりと、とても恵まれた環境にいます。
工学部の裏側をのぞけることもあったり、というのはウソですが(笑)

さてさて、次のt-time6月号では工学部化学系3科についての特集をします。
工学部には化学と名のつく学科が3つあることは皆さんご存知ですよね。
応用化学科、化学システム工学科、化学生命工学科です。
今回私が担当したのは、化学生命工学科についてです。


4月30日に、化学生命工学科の加藤隆史教授にお話を伺ってきました。
研究室のキャッチフレーズは「次世代の物質・マテリアルをつくる」。
この目標に、化生らしいアプローチで取り組んでいるそうです。

その中でも特徴的なのは、生命の仕組みをお手本にして、新しい物質を作り出そうとしている点です。
特に先生が関心をもたれているのは、カニの甲羅、真珠、骨などの生命によって生成される鉱物だそうです。
このような生命が鉱物を作る働きを「バイオミメラリゼーション」といって、今世界中から注目が集まっているそうです。
例えばカニの甲羅は軽くて、しなやかなのに高い強度をもっている、理想的な材料だそうです。
そう言われれば、カニを食べる時にはいつも殻をむくのに苦労しますね。。。
このような自然界の物質をお手本にして、人工的に新しい材料をつくろうとされているとか。
自然で生まれた物だけに環境にもやさしく、常温常圧でつくれるなど利点がたくさんあります。

ちなみに、真珠の構造をお手本にするというアイディアは、先生が三重県に旅行をされたとき、ふらりと見学した博物館に真珠の構造についての展示があってその時にひらめいたそうです。
常に好奇心のアンテナをはっていらっしゃる先生の、研究者らしいエピソードだなあと思いました。


工学は自然を人間にとって扱いやすいように、モデル化して制御するというようなイメージがあったので、加藤先生が「自然に学ぶ」という姿勢で研究をされているのが新鮮でしたね。。


先生はデモ実験や模型をたくさん用いて、化学は門外漢の私にもわかりやすく説明してくださいました。
途中からスウェーデンからの留学生のアントンさんも加わって、化学の話題のみならずスウェーデンと日本の福祉の違いについての議論になるなど、取材にも拘わらず、とても楽しい時間を過ごす事ができました。
研究室のアットホームな雰囲気が印象的でした。

取材に協力していただいた、加藤先生、院生の相良さん、アントンさん、田辺さん、ありがとうございました。